給与計算システムの乗り換え

給与計算システムの乗り換え
給与計算システムの乗り換えは、その時期がポイントとなります。
給与計算業務は1月から12月までに毎月徴収した所得税を年末調整で精算して1年が終わります。
年末調整を行う給与計算システムには1年間の給与支給データが蓄積されている必要があります。
これを踏まえると給与計算システムを乗り換える時期は、翌年の1月から新しい給与計算システムで給与明細書の発行ができるように逆算して導入するのがベストと言えます。
具体的には、12月支給の給与までは現在の給与計算システムを使用し、その年の年末調整は現在使用している給与計算システムで行います。
翌年の1月支給の給与からは新たな給与計算システムで給与計算が行えるように準備を始めます。
このタイミングを逃すと、新たな給与計算システムでの遡り入力や、現在使用している給与計算システムとの二重入力の期間が長くなるなどのデメリットが発生します。
別の給与計算システムへ乗り換える理由
- 今使っている給与計算システムの保守費用が高い
- 今使っている給与計算システムのサポートが終了する
- 現在使用しているタイムレコーダーと連携できる給与計算システムを導入したい
- 会計事務所と同じ給与計算システムを使用したい
- 組織変更による分社化、子会社設立(子会社側で使用する給与計算システムとして導入)
給与計算システムは法令改正のプログラム対応が必要なため、継続的なサポートが約束され且つ比較的低コストで導入できるシステムの需要が高くなっています。
別の給与計算システムへ乗り換えたら
給与計算システムを乗り換えた場合は、初期設定と従業員マスタを登録する必要があります。
初期設定は、自社の就業規則にあわせて新たな給与計算システムの設定を変更したり、各種マスタを登録する作業のことです(「給与規定」の設定、「住民税納付先」の登録、「金融機関」の登録、「部門」の登録、「給与明細項目」の作成、「給与明細項目」の計算式を自社の就業規則に合わせて変更)。
これらの初期設定は、ほとんどのシステムで手作業となります。
また、従業員マスタに関しては、ほとんどのシステムでインポート(取込)することができます。
だだし、インポートするには項目を合わせるための加工が必要になります。勤怠項目や支給項目などを各企業の就業規則にあわせて項目を増やすことができるので、インポートのレイアウトは固定ではなく、ご利用いただくシステムごとに異なります。従業員が多い場合はインポートの機能を使うと移行作業が捗ります。
データをインポート・エクスポートできる主な給与計算システム
これらの給与計算システムは、従業員マスタや給与データ、賞与データのインポート・エクスポートが可能です
- 弥生 弥生給与シリーズ
- OBC 給与奉行シリーズ
- PCA PCA給与シリーズ
- ソリマチ 給料王シリーズ
- 応研 給与大臣シリーズ
- 大塚商会 SMILEシリーズ
期中導入の場合
1月支給の給与処理から別の給与計算システムを使い始めることができれば一番効率がよいのですが、そのためには、旧システムで年末調整を行いながら、新たな給与計算システムの初期設定を同時並行で行う必要があります。給与担当者にとって年間で一番忙しい時期と重なってしまうので難しい場合が多いですよね。
以下の図のように、1月から新たな給与計算システムを稼働させるのではなく、1~3月の給与処理は現在使用している給与計算システムで行い、そのデータを新たな給与計算システムへ移行。4月から新たな給与計算システムを使用し、その年の年末調整は新たな給与計算システムで行なう、という方法が給与計算担当者にとって負担が少ないと思います。
現在ご使用中の給与計算システムからの乗り換えやデータ移行を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。