その会計処理、この先も大丈夫?インボイス制度の見直し前に整えるべき3つのこと
「今のやり方で、特に問題はない」
そう感じながら、日々の会計処理を続けていませんか?
実際のところ、手作業やExcel中心の運用でも、今すぐ大きな支障が出るケースは多くありません。
取引件数がそこまで多くなく、担当者が全体を把握できていれば、十分に回っている会社も多いのが現状です。
ただ、2026年10月に予定されているインボイス制度の経過措置の見直しをきっかけに、こうした「今は回っている運用」が、少しずつ負担になっていく可能性があります。
重要なのは、「今対応できているか」ではなく、今後も同じやり方で無理なく続けられるかどうかです。
本記事では、制度の変化を踏まえつつ、2026年10月に向けて最低限整えておきたい3つのポイントを、実務目線で整理します。
2026年10月は「制度対応の期限」ではなく「運用を見直すタイミング」
2023年10月にスタートしたインボイス制度は、事業者にとって日々の取引管理や証憑管理のあり方を見直す大きなきっかけとなりました。
まず簡単におさらいすると、インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存を求める制度です。
これにより、請求書の形式や記録の精度がこれまで以上に重要になりました。
ただし制度開始時には、急激な負担増を避けるために「経過措置」が設けられています。
これは、適格請求書がない取引であっても、一定割合の仕入税額控除を認める緩和措置です。
この経過措置は段階的に縮小されていく仕組みになっており、
2026年10月はその見直し(控除割合の引き下げ)が行われる節目の時期となっています。
「対応期限」ではなく「運用の変化」が起きるタイミング
2026年10月は、「何か新しいルールが一気に始まる日」というよりも、これまで何とか回っていた運用が、少しずつ通用しにくくなるタイミングです。
経過措置の見直しにより、以下の変化が徐々に現れてきます。
- 証憑確認や取引管理の手間が増える
- これまで曖昧でも問題になりにくかった処理が、確認対象になる
- 手作業やExcel中心の管理が負担になりやすくなる
つまり、「制度に対応できるかどうか」ではなく、
「今のやり方で無理なく続けられるかどうか」が問われ始める時期です。
未導入でも今は回る会社・後から大変になる会社
会計システムを導入していなくても、現時点では問題なく運用できている会社は確かにあります。
例えば、次のようなケースです。
- 取引件数が少ない
- 業務がシンプルで全体を把握できる
- 税理士と密に連携できている
一方で、次のような兆しがある会社では注意が必要です。
- 取引や書類が増えてきた
- 業務が特定の人に依存している
- 月次の数字がすぐに見えない
こうした状態のまま制度の変化を迎えると、
確認作業や整理の手間が一気に増え、負担が顕在化するケースが少なくありません。
「今すぐ本格導入」ではなく「一歩踏み出す」
会計システムの話になると、「きちんと導入しなければ」と身構えてしまいがちですが、最初から完璧を目指す必要はありません。
実際の現場では、
- 月1回まとめて入力する
- 保存方法だけ先に整備する
- 自動化や連携は後から考える
といった形からスタートする企業も多くあります。
大切なのは、無理なく続けられる形で、少しずつ整えていくことです。
2026年10月までにやっておきたい「最低限の3つ」
経過措置の見直しに備えて、最低限取り組んでおきたいポイントは次の3つです。
① 記録先を1か所にまとめる
情報を分散させず、「ここを見れば全体が分かる」状態を作る。
② 紙をやめて、保存だけデジタルにする
領収書・請求書を撮影し、ルールを決めて保管するだけでも十分です。
③ 月1回、数字を見る
精度よりも、「売上・経費・利益感」を定期的に把握することが重要です。
この3つを無理なく実現しやすいのが、会計システムの活用です。
大切なのは「どの製品か」より「どう進めるか」
会計システムにはさまざまな選択肢があり、「これが正解」というものはありません。
- 会社の規模
- 業務の流れ
- 社内のITリテラシー
- 今後の事業の変化
これらによって、適した形は変わります。
重要なのは製品選びそのものよりも、自社にとって無理のない進め方を見つけることです。
今が今後の運用を考える「分岐点」
2026年10月は、すべてを整えきる期限ではありません。
しかし、今後の運用を考える分岐点ではあります。
- 今のやり方を続けるのか
- 将来を見据えて、負担を減らす準備を始めるのか
今の段階で会計システム導入を決める必要はありません。
まずは、
- 今の運用でどこまで耐えられるか
- どこに負担が集中しそうか
を整理することが、将来の負担軽減につながります。
弊社がお手伝いできること
大切なのは、会計システムを「導入すること」ではなく、無理なく続けられる運用を整えることです。
弊社では、特定ベンダーに依存せず、以下の支援を行っています。
- 導入コンサルティング
現状業務を整理し、適切な導入方針を判断できる状態を作ります。 - 導入サポート
必要最小限の構成で、無理なく運用開始できるよう、立ち上げを支援します。 - 操作サポート
日常業務の中で無理なく活用できる状態を目指します。
最初から完璧を目指す必要はありません。
2026年10月に向けて慌てるのではなく、納得して判断するための準備として、今できるところから一緒に整えていきましょう。